公益財団法人動物臨床医学研究所は『人と動物の接点の探求』および、『動物愛護思想の啓発普及』を目標に設立されたものであります。事業内容としましては、動物臨床医学の研究活動をはじめ、その他多くの社会貢献のための幅広い活動を行っています。
 また、人と動物の共存を目標に、健全な生体系および生物多様性の保全にも取り組んでおります。
 その活動を皆様のご協力のもとにさらに拡大し、国民の意識の高揚のために「野生どうぶつ友の会」を平成11年に発足させました。
 生物の多様性の危機が問題となってからかなり年月が経ちました。令和の元号になってから(2019年5月)、IPBES(生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム)より、現在絶滅危惧種の動植物が100万種存在するという報告が新聞に掲載されました。さらに、G7は保全へ憲章採択をしました。近年の地球温暖化による異常気象の多さや、廃プラの問題等、その内容は環境破壊に人間が関与していることばかりであります。つけはいつか誰かがどこかで精算しなければなりません。
 しかし、令和になりよい事も起こりました。それは二つの法案が国会で全会一致で成立したことであります。その一つが、改正動物愛護法であり、他の一つが愛玩動物看護師法であります。いずれも生物と関係ある法案であり、特に動物を重要視した法案でもあります。これで我が国も正真正銘の文明国家といえます。今後、数年後にはいずれも執行される予定ですが、これでかなり動植物と人間が共生出来る社会に近付くでしょう。生物が住めない地球には人類も住めないのであります。
 どうかこの趣旨をご理解頂き、ご協力の程をお願い致します。

令和元年8月
理事長 山根義久